売上を上げたければ、ニュースレターを発行しなさい

ここ数年、お店の売り上げが横ばいになっていませんか?
開業直後はゼロからのスタートのため、5年近くは右肩上がりに売り上げは増えていきます。しかし、一定期間が過ぎると鈍化していき、横ばい、もしくは少しずつ下がり始めます。

売り上げの方程式は、以下の通りです。
年商(売上)=客数×客単価(平均)×来店回数(平均)
です。

美容室が注力すべきは、客数と平均単価の向上です。来店回数は、髪の伸びるスピードの関係もあるため、コントロールは難しいです。できなくはありませんが、特に意識して取り組む必要はありません。

では、どうやったらそれができるのか。一石二鳥なやり方に、ニュースレターがあります。ニュースレターを発行すれば、客数を増やせて、さらに客単価も上げられるのです。

ニュースレターを発行すれば、客数が増えるワケ

そもそも、なぜ客数は簡単には増えないのでしょうか。
それは、新規客の流入と既存客の失客の比率がトントンか、または、失客の数が多くからです。失客数が多くなれば、伴い売上も減少します。

対するアプローチは2つ。
・今以上に新規客を増やすか。
・今以上に失客数を減らすか。

選択すべきは、後者です。
なぜなら、美容室は地域密着型の商売だからです。どういうことか説明します。

地域密着型の商売には、集客の限界があります。一定数のお客さんを集めたら、それ以上の集客は難しくなるのです。

経験はありませんか。
開店直後に出した広告、はじめは上手くいったけど、次第に反応が悪くなったこと。これは、お店との感性が一致するお客さんを刈り取ってしまったがために起きる現象です。

刈り取り過ぎて集客が鈍化する現象は、Web広告の世界でもあります。全国対象のWeb広告でも起こるのですから、地域密着型ではより顕著です。

マーケティングの観点から見ても、失客を防ぐのが先です。
よくある例えに、穴の空いたバケツがあります。水をいくら足しても、穴が空いていたら足した分がどんどん流れていってしまう。つまり、穴が空いた状態では、いくら新規客を増やしても無に帰してしまうのです。
関連記事:ニュースレターを使ったフォローは、集客よりも大事なワケ

先ほどもお伝えした通り、広告の反応はどんどん鈍化していきます。つまり、新規客を集めるためにかかるコストは増していくのです。相対的に失客を食い止める価値も高まっていきます。

前置きが長くなりましたが、この失客を防ぐのにニュースレターが有効なのです。
ニュースレターとは、既存客に送る情報誌です。お客さんとの人間関係を育むことを目的としています。目的通り、人間関係が育めたなら、失客率は低下します。

この現象は、想像に難しくないと思います。
提供されるサービスや商品が同じなら、馴染みのお店と、そうでないお店、どちらのほうと長いお付き合いをしますか? 馴染みのお店ですよね。このように、人間関係を育むことは、失客防止になるのです。

紹介も増える

実は、客数が増えるのは失客が防げるからだけではありません。紹介が増え、紹介による新規客が増加するからです。

好きなお店を人に勧めたくなるのは人の心というもの。お店が好かれるほど、お客さんはあなたのお店を紹介してくれます。こうした効果を実感できたら、もうニュースレターはやめられません。

ニュースレターを発行すれば、客単価が上がるワケ

ニュースレターで失客が減るのは想像できるけど、なんで客単価も上がるの?
そう疑問に思われる方も多いでしょう。確かに、ニュースレターをただ送るだけでは客単価は増えません。セールスを仕掛ける必要があります。

セールスと言っても、カットをしている最中に「◯◯もどうですか?」と言う必要はありません。ニュースレターと一緒に、カラーやパーマ、店頭販売しているシャンプーのチラシを入れるだけでいいのです。読んだお客さんの中から「ニュースレターにあった◯◯をお願いします」と言ってくれる方が表れます。

「チラシを入れるだけで本当に効果があるの?」と思われるでしょう。
ニュースレターでは、人間関係を育むほかに、お客さんを教育するという目的もあります。ニュースレターの中で似合うヘアスタイルや髪への知識を教えるのです。髪やヘアファッションへの意識が高まり、セールスをした際の反応が高まります。

人間関係ができていて、ヘアファッションセンスまで高めてくれる美容室、その美容室が勧めるシャンプー。セールスをするうえで、かなり優位なポジションだと思いませんか?
関連記事:美容室の店販商品がバカ売れする、セールスレターの書き方

補足ですが、人間関係を育むことと教育には、関連性があります。誰かから何かを教えられる際、好きな人と嫌いな人、どちらの話に耳を傾け、話を信じますか?  好きな人の話ですよね。

人の感情は、大きく分けて3つあります。
好感と信頼と尊敬です。人は、これらの感情を寄せた相手の話には耳を傾けます。逆に、嫌悪、不信、軽蔑の感情がある人の話には耳を傾けません。

このように、人間関係と教育効果には深い関係性があるのです。人間関係を育みながら教育をするのは理にかなっていると言えます。よって、セールスした際の反応も好ましいものになりやすいのです。

人間関係は、値上げした際の失客防止になる

ニュースレターは値上げ時にも効果を発揮します。客単価を確実に上げるのは値上げです。でも、値上げをするとお客さんが逃げてしまわないか心配になりますよね。

ニュースレターを発行していると値上げ時の失客は最小限に抑えられます。好感を寄せているお店であるほど、お店のことを想うお客さんが増えます。値上げへの理解もしてくださり、失客しないのです。

値上げをするかどうかは、オーナーの判断になりますが、値上げ時の失客防止にニュースレターは寄与することを覚えておいてください。

実は、ニュースレターは来店回数も増やしてくれる?

私は冒頭で、「美容室の場合、来店回数を増やすことは難しい。髪の伸びるスピードが来店に大きく関係しているから。よって優先順位は低い」という話をしました。

実を言うと、ニュースレターを発行していると来店回数も向上します。失客を防ぐことと、来店回数には強い相関関係があるからです。

仮に、初回来店したお客さんの半分が2回目に移らなかったとします。1→2への失客率50%です。これが改善され、失客率が30%になったとしましょう。最も失客しやすいとされる1→2回の数字が改善されれば、来店回数も自然と改善されるのです。つまりニュースレターは、売り上げの源泉である、客数、客単価、来店回数のすべてに好影響を与えるのです。

平均来店回数は特に意識しなくていいと言ったのは、失客を減らすことにフォーカスしていれば、来店回数も自然と改善するからです。

ここからはおまけですが、ニュースレター以外の方法で、来店回数を増やしたければ、新しいサービスや商品をリリースすることです。そのためには、固定観念を壊す必要があります。

美容師が持つ固定観念の一つに、「美容室は1〜2ヶ月に一度利用するもの」があります。
髪は伸びないとカットしない→カットが必要になるほど伸びるのは1、2ヶ月後→消費頻度は1〜2ヶ月後 と考えてしまいます。パーマやカラーも同様です。

美容室に1〜2ヶ月間隔でしかお店に来ないのは、髪の伸びるスピードのせいではありません。お店が提供するサービスが1〜2ヶ月に一度しか利用できないものばかりだからです。お客さんから見れば、1〜2ヶ月に一度しか来店する理由がありません。

もし、一週間に一度来店する理由があれば、お客さんは一週間に一度来店します。そんなサービスを考えるのです。何もカット、カラー、パーマにこだわる必要はありません。ほかのサービスを提供してもいいのです。

私の知る美容室は、毎日お客さんが来店しています。
リピート率90%の美容室がネイルサロンを始めた物語

もう一度言いますね。
1〜2ヶ月に一度利用するサービスしかなければ、お客さんは1〜2ヶ月に一度しか来店しません。それがもし、毎週でも毎日でも利用できるサービスがあれば、お客さんは来店します。

ニュースレターがあれば、新しいサービスを提供し始めた際の成功率も上がります。将来、お店を大きくしたいオーナーさんは、ぜひニュースレターの発行を真剣に考えてみてください。

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この記事を書いた人

美容師向けのニュースレターを7年間発行。美容師と一緒にパーマ液を開発したり、大々的なイベントをしたりと、ニュースレターの力を肌で感じてきました。私が培ったニュースレターのノウハウや考え方を提供し、ニュースレター発行のお手伝いをしています。

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